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ぬかたクリニック

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 治療方針

  お子さまの症状に合わせた適切な治療法を丁寧な診察と問診から選択します。
 ・ 平素は生活指導を治療の基本と致します。必要に応じて内服薬やアラーム療法を行います。
 ・ 検査は、腹部エコー、採血、尿検査を行います。
 ・ 必要に応じて、県立こども病院、大学病院等をご紹介致します。



 一般的な診療の流れ

 <初 診>

 ・ 問診票をご記入頂き、診察を行います。
 ↓以下について詳しくお話します。
 ・ @水分・塩分の摂取の仕方のコツ
 ・ A尿量測定(夜間寝ている間にどれだけおしっこが作られるか記録します。)
 ・ B治りやすくなる生活習慣について


 <再 診>(約1ヶ月後)
 
 ・ 記録した尿量測定から対策を立てます。
 ・ 各検査(腹部エコー検査、尿検査、血液検査など)を行っていきます。


 <3回目以降>
      
 ・ 夜尿症の傾向をみながら、治療法を考えます。
 ・ お泊まりでの心配事や、不安なことがあれば一緒に考えましょう。



 受診までにご自宅でできること

 夜尿症(おねしょ)をなくすためには生活習慣の改善が必要です。

 ・ 規則正しい生活をしましょう。
 ・ 水分、塩分のとり方には気を付けましょう。
 ・ 夜は無理に起こさない起こさないようにしましょう。
 ・ 寝る前に必ずトイレに行きましょう。






このサイトでは、お子さまの夜尿症(おねしょ)に悩む方に、
その原因から治療薬の知識・治療法まで、分かりやすく解説しています。

〜夜尿症Q&A〜


以下の質問は、私が実際にお母さんたちから受けたご質問へのお答えをまとめたものです。
夜尿でお困りのお母さんたちの相談に乗っていると、同じような質問をよくお聞きします。
重複した部分も多いのですが、全部読まなくても、お子さんに関係ある部分だけ読んでいただければ
内容が分かるように、重複はあまり気にせず書きました。

また、全体をご通読いただけると夜尿症治療がおおまかに分かるように、治療上重要な事項を網羅しました。




 ●ご質問 (夜尿があっても気が付かない)

 10歳の男の子ですが、毎晩おねしょがあります。結構大量のおねしょなのですが、全く気が付かずに朝まで寝ています。
どこか神経がおかしいのでしょうか。


 ●お答え

 睡眠中に尿意を感じてトイレにいってくれたらいいのに、とお考えのお母さんが多いのでこのような質問はしばしばお聞きします。しかし夜尿のあるお子さんは夜尿があっても覚醒しないのが普通です。これは、子どもの眠りが非常に深いためで、特別異常なことではありません。なかには尿意を感じたり、濡れたのが気持ち悪くて目を覚ますお子さんもいます。しかし、このような目を覚ますお子さんは、なんとなく不健康で発育がよくないことがあります。

 これは、子どもの健康にとって大切な睡眠が分断されているためと思われます。また、身長増加をつかさどる成長ホルモンも夜間睡眠時に分泌されますが、夜尿のために覚醒すると、この成長ホルモンの分泌も悪くなり、身長増加が悪くなる可能性があります。

 したがって、夜尿があっても覚醒しない方が子どもの健康のためにはいいのです。要は、夜中に起きなくても朝までもつように、夜尿を治してあげることが大切なのです。




 ●ご質問(水分制限の意義)

 夕方4時からの水分制限を始めてからは、夜尿はほとんどなくなりました。しかし、飲んでいないから出てないのは当たり前ではないでしょうか。以前のように水分をとればまた夜尿が始まるのではないでしょうか。

 ●お答え

 水分制限により夜尿が止まったのは、とりあえずはうれしいことです。多尿型夜尿症の場合は、水分制限によりある程度はよくなります。

 なかには、まったく夜尿がなくなってしまうお子さんもいます。夜尿が止まったのは、尿の原料である水分を制限したからであって、飲み始めたらまた出始めるかもしれません。しかし、2か月くらい連続で夜尿がなくなったら、試しに夜間の水分制限を解除してみてください。水分制限をやめても夜尿が見られなくなっていることもよくあります。


 ●質問(水分制限の解除)

 水分制限を1年近く続けました。この2か月夜尿がなかったので、試しに自由に水分をとらせてみましたが、夜尿はありませんでした。とても不思議な気がします。

 ●お答え

 水分制限を続けていると、そのうち水分制限をしなくても夜尿が見られなくなる理由はいくつかあります。

 第一の理由としては、抗利尿ホルモンの分泌がよくなってきたことが考えられます。抗利尿ホルモンは尿量を減らすホルモンで、年齢とともに分泌がよくなります。多尿型夜尿症のお子さんの場合、このホルモンの分泌が悪いのが1つの原因なのですが、いずれは分泌がよくなってくるものです。また、夕方以降の水分制限により、夜間、体をやや乾いた状態にしておくと、抗利尿ホルモンの分泌が刺激され、そのうち正常に分泌され始めることも多いようです。

 第二の理由としては、水分を朝、昼とり、夜間あまりとらない生活が定着し、以前のように夜間に喉が乾かなくなったのかもしれません。


 

 ●ご質問(紙おむつをしている子)

 紙おむつをしています。紙おむつをしていると、夜尿はなかなか治らないと言われますが、いざ、紙おむつをやめるとなると、毎日のお洗濯が大変ですし、うちの子は寝相が悪いのでどこを濡らすかわからないのでなかなか紙おむつをやめられません。どうしたらよいのでしょうか。

 ●お答え

 たしかに、紙おむつをしていると夜尿はなかなか治りません。その理由は、濡れた感じがわからないからだと思います。

 しかし、毎日していたおむつを一気にやめてしまうと毎回のお洗濯が大変です。とりあえずは、一週間に一回おむつをしない日を決めたらどうでしょうか。例えば、土曜日はおむつをしない日にするのです。そして、おむつをしない日には特に厳しく水分制限をしてみてはいかがでしょうか。

 そして、出ない日が増えてくると紙おむつをしない日を二日、三日と増やしてみてください。


 

 ●ご質問(お茶はあまり飲まない)

 お茶はあまり飲まないのですが、毎晩のように夜尿があります。

 ●お答え

 お茶はあまり飲まないのに夜尿が続く理由は、大きく分けて三つあります。

 第一は、抗利尿ホルモンの分泌が悪い場合です。普通、夜寝ると抗利尿ホルモンの分泌が増えて尿量が減るのですが、このホルモンの分泌がよくないため、夜間睡眠時の尿量が減らず、夜尿になるのです。

 第二は、膀胱に尿があまりたまらない場合です。水分はあまりとらず、尿量は少ないのですが、膀胱に問題がありわずかにしか尿を貯められず、少ない尿でもあふれてしまう場合です。

 第三は、お茶は飲まないが、フルーツ、ゼリー、アイスクリームや味噌汁、スープが好きなお子さんの場合です。私の経験でも、柑橘類が大好きで毎日みかんやグレープフルーツをいっぱい食べていた13歳の男の子が、夕方以降柑橘類を食べるのをやめたら13年間続いていた夜尿が全くなくなった例があります。また、味噌汁をやめただけでも夜尿がとまった例があります。


 

 ●ご質問(自分で夜中に起きるようになった)

 水分制限は、だんだんルーズになって十分にできていないのですが、夜中に目を覚まして、自分でトイレにいくようになりました。

 ●お答え

 明け方、自分でトイレに行きだしたのはもう布団を濡らさない訳ですからお母さんにとっては大変嬉しいことだと思います。しかし、これはまだ治ったとはいえません。夜尿が治ったとは、夜布団に入り、翌朝起きるまで排尿はしないということです。布団は濡らさなくても、夜中にトイレに行くことを、夜尿治療の権威、帆足先生は“トイレおねしょ”と呼んでいます。わたしも、帆足先生の意見に賛成です。

 泌尿器科と小児科では、夜尿治療の考えが少し違うようで、泌尿器科の先生の一部は、夜中トイレに行きだしたら治ったとおっしゃいます。布団が濡れなくなれば、お母さんは一安心ですがお子さんにとっては決して楽なことではなく、翌日に疲れが残ったり、発育に悪影響がでたりするのです。


 

 ●ご質問(昼間のおもらし)

 7歳の男の子ですが、毎晩夜尿があります。昼間も少しパンツを濡らしていることが多く、授業中に大量のおもらしがあることもあります。

 ●お答え

 尿をもらすことを遺尿といいます。夜間遺尿が、すなわち夜尿です。昼間のおもらしは昼間遺尿といいます。どちらも早く治したいものですが、順序としてはまず昼間遺尿を治しましょう。夜尿がある場合は、朝しっかり水分をとって、その分夕方からの水分を制限するのが治療の基本となりますが、朝しっかり水分をとりますと、昼間学校での遺尿の原因になるかもしれません。

 昼間遺尿の対策は、学校ではまめにトイレにいくこと、家ではトイレに行きたくなってもある程度は我慢することです。家ではなぜトイレに行くのを我慢させるかというと、家でも学校でも尿意を感じてすぐトイレに行っていると、膀胱がなかなか大きくなってくれないのです。

 昼間遺尿は多くの場合自然に治ってきます。治りが悪い場合は専門医を受診してください。また、排便が不規則だと尿がもれやすくなります。排便にも注意しましょう。


 

 ●ご質問(宿泊授業)

来月、自然学校があり、四日間外泊します。夜尿のため本人は参加したくないと言っています。なにかいい方法はないでしょうか。

 ●お答え

 ある調査によりますと、夜尿のある子どもの約70%は宿泊授業への参加で悩み、実際に参加を見合わせている方が20%もいるそうです。

 宿泊授業の直前に夜尿外来を受診される方が非常に多くいらっしゃいます。宿泊授業までに何か月かあればそれまでに治してしまうことも可能かもしれませんが、直前に来院された場合、いくつかの対策をご紹介しています。

 

★水分のコントロール 

 昼間に水分を多めに摂って夜は減らすというのは基本です。しかし、宿泊のときは、昼間に様々な活動があり、思うように水分が摂れない、また夕食時も水分コントロールができないことがよくあると思います。
ですが、@なるべく昼間に水分を飲んでおくことA夕食のお味噌汁、お茶はなるべく減らすことが必要です。

鍋やカレーは意外と水分量が多いので注意してください。

★寝るときの服装  

 なるべく黒や濃紺といった黒っぽい色のジャージをはいて寝ましょう。もし夜尿でぬれても、色があまり変わらず分かりにくいです。

 学校指定の体操服で寝ないといけない場合は、先生に事情を話し、お友達に聞かれたら「冷え性だから」・・・といって2枚重ねではいて寝ましょう。

★毎日夜尿がある時、 量が多い時、 心配な時     

 男の子:肌ざわりの良いタオルを、フンドシのようにパンツの中で巻いて寝るとよいでしょう。夜尿でぬれたタオルはビニル袋に入れて捨てましょう。

    (事前に先生に捨てる場所を聞いておくか、先生に捨ててもらう)

 女の子:尿取りパットをするとよいでしょう。(汚物入れに捨てる)

トイレで準備をすると良いと思いますが、不安な場合は先生の部屋で準備をして、自分の部屋にもどるとよいでしょう。

 慣れないと逆に違和感で夜尿してしまうこともあるので、宿泊前からおうちで練習しておくと安心です。

★寝る時      

 ◎寝る前には必ずトイレに行きましょう。

 ◎大部屋で寝る場合は出入り口の近くで、2段ベッドの場合は下の段で寝ましょう。

  そして、起床時間の前に先生に起こしてもらいましょう。もし夜尿があっても、みんなが起きる前に着替えができます。

  もし寝入りばなの夜尿なら、先生が寝る時間(12時半〜1時頃)に起こしてもらい、心配でしたら朝も起こしてもらうとよいでしょう。

 ◎みんなと寝るのがどうしても不安なら先生の部屋で寝るという方法もあります。みんなには、体調が悪い、寝ぼけがひどい・・・ということにしておけばいいのです。

 

★先生に言いたくない時   

 先生に起こしてもらうとお母さまとしては安心ですが、なかには、先生に言いたくない、知られたくないというお子さんもいると思います。その場合は、

 例)「普段は大丈夫だけれども、お泊まりのときは失敗してしまう。」

   「今、膀胱炎になっていて、おしっこが近くて夜も心配なので・・・」etc  と言って起こしてもらいましょう。

 もしくは、言いたくないということも含めて先生にお話して、知らないふりをして起こしてもらいましょう。

 帰ってきて、「先生に言ったでしょう。」と言われたら、「お母さんは言ってないよ。先生はみんなを起こしたんでしょう。」と答えたらよいのです。


 

 ●ご質問(夏は治るが・・・)

去年も夏はほとんど夜尿はなかったのですが、秋になって失敗が増え、冬には毎日という状態でした。今は夏なので調子がよいのですが、涼しくなってからが心配です。

 ●お答え

 夏治るお子さんの場合は、多くの場合水分のとりすぎです。夏は汗をかくため、夜間のおねしょの代わりに汗が出ているのです。涼しくなったら水分を制限することが必要です。

 また、過活動膀胱のお子さんでは寒くなると膀胱が更に不安定になります。

 いずれにしても、寒くなったら身体を温める工夫と発汗を促す工夫が必要です。

 ここで、何点か寒さ対策についてご紹介します。

 冷え症状は夜尿を悪化させやすいので冷え症状がみられる場合は寝る前にゆっくり入浴させて身体全体をよく温めることです。入浴剤を用いるならば炭酸入浴剤(バブ等)が夜尿の頻度を約3割少なくすることがわかっています。いずれにしても寝る前にお風呂に入る、そして「カラスの行水」ではなくゆっくりあたたまることが大切です。寒さが厳しくなってきたら布団を温めておくといった配慮も効果があります。

寝る前にゆっくりお風呂に入る

 お風呂はゆっくりつかりましょう。寝る前に足が冷えているようでしたら足湯を10分くらいしてからねるとよいでしょう。

布団を温めておく

 電気毛布を使い布団を温めるとよいでしょう。冬でも暑がりのお子さんはのどがかわくかもしれないので代わりに湯たんぽを使用するのもよいでしょう。

●防寒対策

 お風呂上りに身体を冷やさないように上着を着たり、靴下(5本指ソックスがオススメ)をはいておくとよいでしょう。寝ている間に布団をはいでしまうかもしれませんので腹巻きをするのもよいでしょう。


 

 ●ご質問(反抗的な子ども)

 7歳の男の子ですが、水分制限をしたら夜尿のない日が多いのですが、次第に反抗的になってきて水分制限をしてくれないようになりました。どのように対処したらよいでしょうか。

 ●お答え

 水分制限ができない場合はもうしばらくお待ちになったらどうでしょうか。夜尿症は放置していても、ほとんどの場合自然に治ります。お母さんが焦って子どもを追い詰めますと、母児関係に悪影響がでます。夜尿が治ったが、お母さんのことが嫌いになってしまったら悲しいですね。


 

 ●ご質問(低身長)

 小学校二年生の男の子です。毎晩夜尿があります、身長がとても小さくてよく幼稚園児に間違えられます。夜尿と低身長は関係あるのでしょうか。

 ●お答え

 夜尿のあるお子さんの場合、身長が低い方がよくいらっしゃいます。この場合三つのケースがあり注意が必要です。

 第一は、夜尿があるため親が夜中にお子さんを起こしている場合。身長を伸ばす成長ホルモンは夜間睡眠時に最もよく分泌されるホルモンです。したがって、夜間に睡眠が中断されますと成長ホルモンの分泌が妨げられ、その結果、身長増加が悪くなる場合があります。

 第二は、夜尿症のお子さんはいわゆる“おくて”が多く、小学校の内は小さいが、中学高校で伸びて正常に達する場合があります。

 第三は、成長ホルモン分泌不全性低身長症のお子さんではしばしば夜尿がみられます。極端に身長が低い場合は、低身長の原因を調べる検査をした方がよいでしょう。


 

 ご質問(治る過程)

 先生の指示に従って治療を始めましたが、相変わらず毎晩夜尿があります。このまま様子をみてもよいのでしょうか。

 ●お答え

 お母さんたちはお子さんの夜尿がある日突然治ってしまって、その後全くなくなればいいのにとよくおっしゃいます。でも実際は、一気に治ってしまうことはまれです。まず最初に、毎日あった夜尿が、たまにない日があったり、一晩に二回あった夜尿が一回になったり、濡れる量が減ったりしながら徐々になくなっていきます。



 

 ご質問(薬は漫然と続けない)

 7歳の女の子です。毎晩おねしょがあるため、近所の小児科で相談しました。良い薬があると言うことでこの半年間内服しています。ところが一向に良くならないのです。先生に相談しても、そのうち効いてくるからとおっしゃるだけなのです。このまま続けていてよいのでしょうか。

 ●お答え

 効果がない夜尿症の薬を漫然と続けるのは良くありません。その理由は次の2つです。

  1. 夜尿症の薬には即効性があり、内服を始めると短期間で効果が現れます。長く飲むと次第に効いてくると言う訳ではないのです。
  2. どんな薬にでも副作用があります。したがってむやみに長期間服用するのは良くありません。

 一旦お薬をやめた方がよいでしょう。そして、まずは生活面の注意を心がけ、お子さんが成熟して行くのを見守りましょう。ご心配でしたら、自然に治ってくるものなのか、それとも、治りにくいものなのか、専門医の診察・検査をおうけください。



 ●ご質問育て方が原因?

 6歳の男の子です。おねしょが続いています。私は仕事が忙しく、十分に子どもとかかわることができません。この子のおねしょは愛情不足ではないかと心配しています。

 ●お答え

 虐待を受けたり放置されたりすると確かに夜尿の頻度が増えるのは事実です。しかし、これは極端な場合に限られます。少々、きつく叱ったり、子育てに十分に時間が取れなかったとしても、その程度のことでは夜尿の原因になることはありません。まずは、水分のとり方や規則正しい排便など生活面に注意を払ってみましょう。ご心配でしたら専門医にご相談下さい。


 
 ●ご質問
夜尿はうちの子だけ?

 5年生の男の子ですが、夜尿が続いています。高学年になっても夜尿があるなんて聞いた事もありません。学校の宿泊授業が近づいていますし絶望的な気持ちです。

 ●お答え

 まず、絶望的な気持ちにはならないようにしてください。小学5年生なら夜尿症は決してまれではありません。私が、養護教諭の先生に聞いたところでは、5年生の宿泊授業の際、夜尿が心配なので夜中に起こしてほしいと言われるお子さんが、1クラスに2人くらいはいるとの事です。保護者は誰にも打ち明けず秘密にするため、皆さん夜尿症は我が子だけと深くお悩みになるのです。


 
 ●ご質問
夜尿はいつ治るのか

 1の男の子ですが、夜尿が治りません。長くて暗いトンネルの中にいるようで、とても辛いです。最近、主人も中2まで夜尿があったと聞いてさらに心配が増しています。

 ●お答え

 男子の場合、中1でも夜尿は、さほどまれではありません。また、ご主人が中2まで夜尿があったが現在治っているわけですからお子さんの夜尿も治る可能性が高いと思います。両親に小児期に夜尿があり治ったという家族歴がある場合、そのお子さんも時期が来れば治ることが多いです。しかし、中1まで続く場合、単純な夜尿症ではなく、何らかの病気が隠れていることもありますので、専門医の受診をお勧めします。


 
 ●ご質問
夜尿症アラーム療法の効果

 夜尿症に対するアラーム療法はなぜ効果があるのでしょうか。

 ●お答え

 アラーム療法がなぜ夜尿症に有効なのか。この理由については、おおよそ次のように考えられています。

 夜尿症のない子では、睡眠中に膀胱に尿がたまる尿がたまったというサインが脊髄の神経を通って脳まで行くこのサインに対して脳は、今排尿をしてはいけませんというサインを膀胱に送る膀胱の出口は締まり膀胱の袋は緩み更に尿をためる。

 夜尿症の子では、睡眠中に膀胱に尿がたまる尿がたまったというサインが脊髄の神経を通って脳まで行くこのサインに対して脳は鈍感で、今排尿をしてはいけませんというサインを膀胱に送らない尿が漏れる。

 アラーム療法を続けると、尿が漏れた直後にアラームが鳴り、「今、漏れたんだよ」と教えてくれます。(ホントは漏れる直前に教えてくれる装置があれば良いのですが)
 
「夜尿アラームが鳴る」という状況が何度も何度も続くと、膀胱に尿がある程度たまり、漏れそうになった時、今は排尿してはいけないというサインを脳が膀胱に送ってくれるようになるのです。
 どなたにでも効果がでる治療法ではありませんが、明け方に夜尿がある子には有効な場合が多いです。


 ●ご質問夜尿アラーム療法で起こすのは良くない?

 アラーム療法をしてみようと思うのですが、夜中に子どもを起こすのはよくないのではないでしょうか。

 ●お答え

 夜尿症治療の原則は「怒らない」「起こさない」「あせらない」の3つです。したがって、アラーム療法はこの原則に反しています。しかし、夜尿症が続いていると眠りが浅くなったり不快な思いをしたり多くの不利益があります。
 アラーム療法で短期間、夜中に起こしても、それで夜尿症が治れば、不快な思いから解放され眠りも深くなり睡眠の質もよくなります。アラーム療法は、子どもを起こすことによる不利益よりも夜尿が治るという利益が大きいのです。「一歩退がって二歩進む」治療法なのです。
 
もちろん必ず有効とはいえませんので3ヶ月位がんばっても効果がでない場合は一旦中止します。











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夜尿症治療のポイント
  • 夜尿症の治療で最も重要なことは、夜尿の原因を明確にし、原因に基づいた治療を選択することです。
    まず最初に、尿量(特に夜間尿量)が多いための夜尿なのか、膀胱が小さいための夜尿なのか、排尿神経中枢の問題なのか、あるいは別の隠れた病気により二次的に夜尿がでているのかの見極めが大切です。

1.多尿型夜尿症

尿量が多いためにおこる夜尿です。
表1に平均的な小児の尿量を示しますが、昼間の尿量が正常でも夜間睡眠時尿量が5ml/kg以上(体重1kgあたり5ml以上)の場合も多尿型夜尿症と分類されます。

夜間睡眠時尿量=[夜尿の量]+[朝一番の尿の量]です。
5ml/kg以上とは、20kgのお子さんの場合で100ml以上、30kgのお子さんの場合は150ml以上となります。
体重にかかわらず、夜間睡眠時尿量が250mlを越える場合は、 典型的な多尿型夜尿症です。



表1.正常小児の尿量

年齢 3〜5歳 5〜8歳 8〜14歳 14歳以上
1日尿量 500〜600cc 600〜800cc 800〜1200cc 1000〜1500cc




2.膀胱型夜尿症

機能的膀胱(ぼうこう)容量(尿を我慢して最大限に尿をためた時の尿量)が 体重1kgあたり7ml以下の場合です。
つまり体重が20kgのお子さんの場合140ml以下、30kgのお子さんの場合は210ml以下の場合が 膀胱型夜尿症です。
実際に膀胱の容積が小さい場合と、膀胱自体は小さくないが充分に尿をためることができず 漏れてしまう場合があります。




3.未熟型夜尿症

排尿機能が未熟なための夜尿症です。
夜間睡眠時尿量は多くなく、また機能的膀胱容量も小さくないのに夜尿が続く場合は、 排尿機能が未熟なための夜尿の可能性があります。




4.その他

二次性夜尿症といって、神経疾患、内分泌疾患、代謝疾患、心理的な原因等が隠れているために起こる夜尿症があります。一度止まっていた夜尿が、再び始まった場合は特に注意が必要です。




生活指導(多尿型にも膀胱型にもあてはまる)
“あせらず、おこらず、おこさず”の三原則は、どのタイプの夜尿症の治療にもあてはまります。
夜尿症の治療は辛抱強く“あせらず”続けることが必要で、
本人が寝ている間のことなので“おこらず”、
また中途覚醒は睡眠リズムを狂わせ、
抗利尿ホルモンの分泌を一層低下させるので“おこさない”で下さい。


主として多尿型夜尿症を改善させるための生活習慣
水分摂取コントロールと塩分の制限
----お子さんの自主性にまかせて、無理のない範囲で行ってください。

  1. 水分は午前中に充分とらせます。
    今までよりも多めに飲んでもかまいません。
    昼食の時も、水分は特別制限しません。

  2. 午後、昼食後からは あまり水分はとらないようにし、
    のどが乾いても一回に飲む水分は150ml以内にとどめます。

  3. 夕方4時以降は、なるべく水分をとらないようにし、 夕食は早めにすますようにします。
    夕食の時の水分は、お茶150ml程度にします。
    特に牛乳、みそ汁、フルーツは控えめにし、午前中にとらせるようにします。
    お風呂上がりにのどが渇く場合は、うがいをしたり、
    氷を口に含んだりして、のどを潤すようにしてください。


主として膀胱型夜尿症を改善させるための生活習慣
排便コントロール

意外に思われる方が多いのですが、これはとても重要なことです。
子どもは骨盤が小さく、膀胱も直腸もその狭いスペースに入っています。
しかも、膀胱の一番敏感な部位(膀胱三角部)の、すぐ裏側に直腸が接する構造になっているため、膀胱は便の影響を受け続けることになります。

保護者の方から見て、子どもが便秘であるとは思っていない場合でも、排便時刻が毎日バラバラだったり、便の表面が凸凹していたりする場合はリスクがあると考えてください。

毎朝必ず排便があり、かつ、その表面がつるりとしていて細くなって終わったり、最後が少し水に溶けたりするほど柔らかければ理想的です。

まずはカレンダーに、@排便時刻 Aかたち(柔らかさ) B量 を記録してみることから始めましょう。




まずは、別の病気によって2次的に夜尿がでているかどうかを鑑別診断します。


別の病気が絡んでいる可能性が低い場合は、
@お子さんの今までの経過
A身体診察結果
B膀胱と腎臓の超音波検査結果
C夜間尿量
Dがまん尿量
E排便習慣
F日中のちびりの有無と頻度
Gご家庭の状況
H宿泊学習の予定
I本人とご家庭の希望
 などを総合して、最も効果的な治療法を選択します。


具体的には、
a. 夜尿症アラーム療法(センサーを用いた夜間の排尿抑制訓練法)
b 夜間尿量をへらすための抗利尿ホルモン療法.
c. 膀胱を広がりやすくするための内服治療
d. 排便習慣コントロールのための治療
e. 漢方薬による治療
 などの中から、本人の病態にあわせて組み合わせた治療を行っています。




ぬかたクリニック
TEL 078-515-5152



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