基礎知識


まずは、基本の知識をチェックしてください 。
1. 1年間にどの程度身長が伸びるか(女子)


女子の身長は、10歳頃から伸び盛りに入ります。
乳房がふくらみ始める時期です。
12歳半で初潮を迎え、その後はあまり伸びなくなります。
女子は、男子より、2年早く大人の体になり、骨が固まるため身長は最終的に男子より約13cm低くなります。
思春期が遅く、初潮が遅いお子さんは、子ども時代が長く、身長が伸びる時間が長いため、
意外に身長が高くなります。これが、いわゆる「おくて」です。


年齢
(1〜2歳の伸びとは、
1歳6カ月での伸び率)
最低でも1年で
このくらいは伸びる
(〜1.5SD)
平均的な
1年間の伸び
よく伸びる子の
1年間の伸び
(+1.5SD)
1〜2歳 8.8cm 10.3cm 11.8cm
2〜3歳 6.8cm 8.0cm 9.2cm
3〜4歳 6.0cm 7.1cm 8.2cm
4〜5歳 5.6cm 6.7cm 7.8cm
5〜6歳 5.2cm 6.3cm 7.4cm
6〜7歳 4.9cm 5.9cm 7.0cm
7〜8歳 4.4cm 5.5cm 6.6cm
8〜9歳 4.1cm 5.3cm 6.5cm
9〜10歳 4.4cm 5.6cm 6.8cm
10〜11歳 5.9cm 7.3cm 8.7cm
11〜12歳 6.1cm 7.4cm 8.7cm
12〜13歳 2.9cm 4.2cm 5.5cm
13〜14歳 1.1cm 2.2cm 3.3cm
14〜15歳 0.4cm 1.1cm 1.8cm



2. 1年間にどの程度身長が伸びるか(男子)

男子は、12歳〜14歳頃が身長の伸び盛りの時期になります。 伸び盛りの時期は、お子さんによって多少のずれがあります。 男子は、女子より思春期に入るのが2年ほど遅れます。 つまり、男子は、女子より子ども時代が長く、思春期の身長の伸びも良いため、女子より身長が高くなります。

年齢
(1〜2歳の伸びとは、
1歳6カ月での伸び率)
最低でも1年で
このくらいは伸びる
(〜1.5SD)
平均的な
1年間の伸び
よく伸びる子の
1年間の伸び
(+1.5SD)
1〜2歳 8.9cm 10.3cm 11.7cm
2〜3歳 7.0cm 8.0cm 9.0cm
3〜4歳 6.0cm 7.1cm 8.2cm
4〜5歳 5.4cm 6.6cm 7.8cm
5〜6歳 4.9cm 6.1cm 7.3cm
6〜7歳 4.5cm 5.8cm 7.1cm
7〜8歳 4.5cm 5.7cm 6.9cm
8〜9歳 4.3cm 5.3cm 6.3cm
9〜10歳 4.0cm 5.0cm 6.0cm
10〜11歳 4.0cm 5.0cm 6.0cm
11〜12歳 4.5cm 5.6cm 6.7cm
12〜13歳 6.9cm 8.6cm 10.3cm
13〜14歳 6.9cm 8.7cm 10.5cm
14〜15歳 3.3cm 4.5cm 5.7cm
15〜16歳 1.4cm 2.3cm 3.2cm
     


3 . 子どもの骨は伸びる

子どもの身長はなぜ伸びるのでしょうか。
おとなになると身長はなぜ伸びなくなるのでしょうか。
左はおとなの骨で、右は、子どもの骨です。
これは、膝のあたりのレントゲン写真です。
子どもの骨では骨端線と呼ばれる部分が長い骨(腕や足など)の両端にあります。
レントゲン写真では、堅い部分は白く、柔らかい部分は黒く写ります。
黒く見える線状の骨端線といわれる部分は、柔らかい骨(軟骨)でできています。
骨端線の部分が伸びるから身長は伸びるのです。
大人になると、骨端線の部分は堅い骨になってしまい骨は伸びなくなり、
左の写真の様にレントゲン写真には白く写ります。

大人の骨 子どもの骨
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4. ホルモンだけでは不十分、十分な栄養が必要

成長ホルモンが十分に分泌されていても、栄養に問題があると身長は伸びません。 また、運動による刺激もある程度ないと、せっかく身長が伸びても、骨折し易い弱い骨になってしまいます。 骨の発育を、建物の建築にたとえれば、ホルモンは釘や接着剤にすぎず、 タンパク質やカルシウムは鉄筋や材木にあたります。 釘や接着剤があっても鉄筋や材木がないと、建物はできあがりません。

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5. 成長ホルモンは脳下垂体から分泌される

成長ホルモンは脳下垂体と呼ばれる臓器でつくられます。
脳下垂体は文字通り脳の下に垂れ下がった臓器です。
大きさは指の先程度しかありませんが、ここでは成長ホルモンの他にもいつくかの重要なホルモンがつくられます。
成長ホルモンの病気がある人は同じ脳下垂体でつくられる他のホルモンの分泌も悪いことがあります。


     


6. 遺伝の影響は大きいが、遺伝がすべてではない

・子どもの身長は、親からの遺伝だけでは決まりません

栄養や運動、睡眠などの生活環境が、身長の伸びを大きく左右 

【身長は両親よりも高く伸ばせる】
「親が低かったら、わたしも身長が伸びなかったのよね・・・」とは、よく耳にする言葉。
それでも、子どもに対しては「少しでも身長を伸ばしてあげたい」と思うのが、親心です。
 ほんとうに「身長は遺伝で決まる」のでしょうか。
たとえば、バレーボールや格闘技などのスポーツ選手には、
両親よりもかなりの高身長に成長した人が少なくありません。
皆さんの身近にも、「両親は身長が高いのに、子どもは低い」とか、「両親は低いのに、
子どもは高く成長した」という例があるのではないでしょうか。 
じつは、子どもの身長を決めるのは、遺伝だけではありません。
親の影響も受けますが、あくまでも「そうなりやすい体質」を受け継いだだけのこと。
「いかに成長を促す生活を送るか」という、生活環境が大きく左右するのです。


 
【目安となる、子どもの予測身長】
とはいえ、「子どもの最終的な身長」が予測できれば、知りたいですよね
。親の影響も受けているので、ある程度、子どもの最終身長を予測する方法があります。

男の子の場合は、(父親の身長+母親の身長+13)÷2が、
女の子では(父親の身長+母親の身長−13)÷2が予測される身長です。
ここから、どれだけプラスαを伸ばすことができるかが大きなポイント。
言い換えれば、生活習慣によってはマイナスになることもあり、注意が必要なのです。




【成長を促しやすい生活環境とは】
身長を伸ばすために一番必要となるものは、「成長ホルモン」です。
これは、脳の下にある「脳下垂体」というところから分泌されます。
成長ホルモンが、肝臓などに働きかけて「ソマトメジンC」という別のホルモンをつくり、骨の成長を促します。
そして骨が成長し、身長が伸びるというしくみです。
身長を伸ばすには、成長ホルモンの分泌を多くすれば良いのです。 
ただ、栄養が不足してしまうと、骨に栄養がいきわたらずソマトメジンCが十分のつくられないため、身長は伸びません。
また、丈夫な骨に成長させるためには「適度な運動」も必要です。
いっぽうで、ストレスなどの負担は、成長の妨げとなります。 
このように、身長は遺伝だけでなく、栄養や運動などの生活環境が大切なのです。




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ぼくの身長は、ちゃんと伸びるかな。
 

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