身長を伸ばす栄養 身長を伸ばす食事 身長を伸ばす食品 身長を伸ばす栄養素

方法3
身長を伸ばす食べ方


著者の低身長外来を訪れたお子さんの8割は、小食であり、実際に計算してみても、
タンパク質、カルシウムの摂取量が少なすぎるお子さんが多いのです。
小食の子に十分な栄養を与えるにはどうするか。
 
  1. 牛乳だけでは身長は伸びない

  2. 栄養のバランスが大切

  3. 小食はこの方法で治そう

  4. おやつにも注意しましょう

  5. 作りおきフリージングで、負担を増やさず4回食
  6. 特に大切なタンパク質

  7. タンパク質は、どの程度必要か

  8. タンパク質が豊富な食品

  9. 高タンパク質、低脂肪食

  10. 日本人のカルシウム摂取量は先進国で最下位

  11. カルシウム摂取量の伸び悩みは平均身長の伸び悩みにも関係ありそう

  12. カルシウム豊富な食品

  13. 亜鉛は身長増加に大切な微量元素

  14. 亜鉛を多く含む食品

  15. マグネシウムの重要性が最近注目されています

  16. マグネシウム豊富な食品







1. 牛乳だけでは身長は伸びない

いくら牛乳を飲んでも、それだけだは身長は伸びません 

 「身長を伸ばす=骨を伸ばす」のはタンパク質。カルシウムは骨を丈夫にする

 【飲み過ぎは伸び悩みの原因にも】

子どものころに、牛乳をたくさん飲んだ経験はありませんか。
今でも、一生懸命に子どもに牛乳を飲ませる親は、少なくないようです。

「牛乳さえ飲めば、身長が伸びる」というのは、間違った思い込みです。
もちろん、骨にとってカルシウムは大切な栄養素。牛乳は、もっとも優れたカルシウム源です。
でも、1日に1ℓ以上など過剰に牛乳を飲むと、満腹感で食欲がなくなったり、肥満の原因になることも。
その結果、身長が伸び悩むことさえあります。

 【身長を伸ばすのはタンパク質】

身長を伸ばすのに重要なのは、じつはタンパク質です。タンパク質は「骨や筋肉の材料」となります。
骨をつくり、身長を伸ばす役割を果たすのです。
また、骨の成長に不可欠な「成長ホルモン」の分泌を促す作用もあります。

いっぽうカルシウムは、「骨を強くする」栄養素。
つまり、骨をつくるタンパク質と、骨を丈夫にするカルシウムを十分に入れてこそ、はじめて「健康的に身長を伸ばす」ことになります。

骨をビルにたとえるなら、骨組みとなる鉄筋がタンパク質、それを補強するコンクリートがカルシウム。
タンパク質をとらないと、身長が伸びないことになってしまうのです。



【楽しく食べることもポイント】

小食でやせているお子さんの場合は、炭水化物も大切です。
骨の材料であるタンパク質・カルシウムがあっても骨をつくるためにはエネルギーも必要です。
エネルギー源としては炭水化物が欠かせません。

そして、「何を食べるか」よりも「いかに楽しく食べるか」が、とても重要です。
楽しんで食べたときと、ストレスを感じながら食べたときでは、吸収量に大きな差がつきます。
とくにカルシウムやタンパク質は、リラックスして食べたほうが、効率よく吸収できます。

身長を伸ばすには、「楽しく食べる」ことが大切なのです。



2. 栄養のバランスが大切





3. 小食はこの方法で治そう

【1】まずは、なぜ食欲がないのかを冷静に分析

身長が低いお子さんをお持ちのお母さんの訴えで最もよく耳にするのが、
“食べてくれない”“食べるのが遅い”ということです。
無理矢理、食べさせようとすると、かえって食欲はなくなります。 まず第一にして頂きたいことは食欲がでない理由を冷静に考えてみることです。
子どもの食欲がでない主な原因を以下に述べますので、あてはまらないかどうか考えてみてください。

【2】食欲がでない主な原因

[1]運動不足、運動のしすぎ
運動不足が食欲不振の原因となることは、よく知られていますが、運動のしすぎもよくありません。
中学生の場合、よく見かけます。部活動でバテてしまい、
飲み物だけ飲んで寝てしまう子どもも多いようです。過度の運動は禁物です。

[2]夕食の時眠い
これは低年齢児にみられますが、夕食の時間にはもう眠くなってしまい、
食べている途中で眠気のため食べるのをやめてしまう場合です。
低年齢児では規則正しい生活リズムの確立は非常に大切です。
[3]お菓子の食べ過ぎ
ある程度のお菓子は子どもの情緒安定のためには有用と考えられますが、
しばしば食欲不振の原因になります。
おやつにはいわゆる駄菓子だけではなく、蛋白質やカルシウムの豊富な食品を与えてあげて下さい。

[4]牛乳の飲み過ぎ
牛乳の飲み過ぎについては、すでにふれましたが、お茶代わりに牛乳を飲んではいけません。
お茶には食欲を増進する効果があることをお忘れなく。

[5]偏食
偏食は是非とも直したいものですが、そのことに気を取られて、
こどもにとって楽しいはずの食事が辛いものになってはいけません。

[6]味覚障害
食べ物の味に鈍感な味覚障害のお子さんが最近、増えてきています。
外食やインスタント食品で刺激の強いものを多く食べていると、微妙な味が分からなくなり、
家庭料理はおいしくないと言いだします。
外食やインスタント食品はほどほどにしておきたいものです。

[7]食事中、気が散る
食事中テレビを見たくなる。これは子どもにはよくあることです。
テレビが気になり食事を早く切り上げるのは当然よくありません。
食事中、気が散らないような工夫が必要です。

[8]兄や姉が早食い
兄弟や両親が早食いの場合、1番、年が小さい子が取り残されます。
夕食は家族の一日のなかで、大変重要な場です。
イタリアやフランスでは夕食に2時間かける家庭も多いと聞いています。
ゆっくりくつろいで食べることは、健康な生活の第1歩ではないでしょうか。

[9]扁桃肥大などで飲み込みにくい
病気のため食べるのが遅い子どももいます。
扁桃肥大のため飲み込みも悪い子どももいます。
扁桃肥大がある場合、手術で扁桃腺を取ると急によく食べるようになることもあります。
また、虫歯がひどいと噛みにくいため上手に食べられない子どももいます。

[10]便秘や不規則な排便
規則正しい便通がないと、食欲にもムラがでます。
毎日、一定の時間に排便するように心がけましょう。

[11]おなかがすいた時に食事がない。
空腹感も、一定の時間が過ぎてしまうと、無くなってきます。
食事はjust in timeで。
食事は、おなかがすいている時が一番おいしく、いっぱい食べることができます。

ワンポイント アドバイス

ハンバーグ、鳥の唐揚げ、鰻の蒲焼きなど
タンパク質が豊富な食品を常に冷凍庫に保存しておきましょう。
おなかが空いて食事が間に合わないときや、
作る時間がないときに便利です。
子どもにスナック菓子やインスタント食品を
食べさせないようにする、ひとつの工夫です。



【3】病気で食欲がないことも

以上述べた原因の他に、病気のため食欲がでないこともあります。
成長ホルモンの病気がある場合、食欲はあまりよくありませんし、
肝臓病などでも食欲は低下しますので注意が必要です。


4. おやつにも注意しましょう

おやつは甘いもの、という考えは良くありません。
おやつでタンパク質やミネラルを補給しましょう。
ヨーグルトは、無糖のものに、お砂糖を少しだけふって食べましょう。
バナナは貴重なマグネシウム補給源です。
枝豆は、お父さんのビールのおつまみにもなりますが、子どもの、おやつにも最適です。
チーズが好きな子どもは身長がよく伸びます。ピザトーストなども良いでしょう。
ピーナツは、タンパク質、ミネラルが豊富です。ただし、食べ過ぎは良くありません。
するめは、意外なほどタンパク質豊富。リン酸塩無添加のものを選びましょう。
ゆで卵は、非常に優れたタンパク源です。


以上のようなものが、お勧めメニューですが、
子育てで最も大切な「ニコニコ、のびのび」をお忘れなく、
たまには、栄養的には無駄な駄菓子も、子どもにリラックスと楽しみを与えるという点では役にたちます。

5. 作りおきフリージングで、負担を増やさず4回食

料理は一度に2倍量を作っても、さほど手間が変わらないものです。
そこで“作りおき”を提案します。
2~3日間の保存なら冷蔵庫でもよいのですが、
何かの時の予備のためにはフリージングがおすすめです。
冷凍庫に入れる時には、面倒でも子どもにとっての1回分に小分けにすると、再加熱の時に便利です。
また、冷凍庫内は乾燥したり臭いがつくので、密閉容器や専用の袋を使うと安心です。
意外に忘れがちなのが、冷凍したものをいつ食べるかです。
2週間を超えたら献立に入れて、長期間“作りおき”にしないことがおいしく食べるコツです。



フリージングお奨めメニュー
牛肉 サイコロステーキ
豚肉 焼き豚・ゆで豚・煮豚
ひき肉 ハンバーグ・肉団子・餃子
とり肉 唐揚げ・ローストチキン
マリネ・南蛮漬け・鮭そぼろ・うなぎ蒲焼き

6. 特に大切なタンパク質

(1)戦後、日本人の平均身長が伸びたのはタンパク質のおかげ
 食事は、各種の栄養素をバランスよく食べることが大切ですが、
 特に大切なのがタンパク質です。
 タンパク質は英語ではプロテインといいますが、これはギリシャ語で“最も重要”を意味します。
 タンパク質は骨や筋肉などの材料になります。
 また、タンパク質には成長ホルモンの分泌を促す作用もあります。
 戦後の日本人の平均身長は、タンパク質の摂取の増加に比例して伸びてきました。


(2)豊かさの中の“ひずみ”
 わが国の国民の栄養状態は国全体で見ると極めて高い水準になっています。
 しかし、個人個人のレベルで見ると非常に栄養の偏った食生活をしているケースが見られます。
 特に、最近のこども達の食生活には、いろいろと問題があります。
 次の表は厚生省研究班が報告した学童・思春期の食事の問題点です。
 10の項目があげられていますが1、2、3、4および6は特に身長増加を妨げる因子となります。
 特に、インスタント食品やスナック菓子の取りすぎには注意しましょう。







学童・思春期の食事の問題点  (厚生省研究班の調査)

1.朝食の取り方が少ない  2.間食が多く夜食が多い  3.糖分・脂肪が多い
4.インスタント食品、スナック食品が多い  5.食物繊維不足  6.カルシウム不足
7.ビタミンB2不足  8.肉類が多く魚が不足   9.食塩が多い  10.偏食が多い


7. タンパク質は、どの程度必要か

タンパク質は、身長を伸ばすうえで最も大切な栄養素ですが、
必要以上に大量に摂取するのは良くありません。
どの程度必要かを知っておきましょう。
(1)タンパク質が豊富な食品の知識をもちましょう。次ページの表をご覧下さい。
(2)肉や魚が嫌いなお子さんの場合は、たまご、牛乳、豆類などでタンパク質を取るようにします。
肉、魚を食べない菜食主義者でも豆類、たまご、牛乳を十分とっている子どもの身長増加は悪くありません。
(3)タンパク質を多く含む食品には脂肪も多く含む場合がありますので
脂肪の取りすぎにならないように注意が必要です。
(4)タンパク質は大量に取りすぎてもよくありません。表にどの程度とったらよいかを示しました。
(5)激しいスポーツをしている場合はタンパク質は少し多めにとる必要があります。


成人のタンパク質所要量(必要量)は体重×1.08でだします。
 子どもの所要量は、この式で求めた量より多い。
つまり、子どもは、体の割に多くのタンパク質を必要とするのです。


■タンパク質はどの程度必要か
1歳 3歳 5歳 7歳 10歳 11~18歳
(思春期)
成人
30g 40g 50g 60g 70g 75~85g 60~80g


例えば、牛乳1杯とタマゴ1個でタンパク質12gが摂取でき、
この量は、7歳児の1日の必要量の20%にあたります。





8.タンパク質が豊富な食品


■タンパク質が豊富な食品
食品 タンパク質含有量
(100g中のタンパク質g数)
目安量
(料理でどの程度使うか)
肉類 牛肉
豚肉
鶏肉
19.5~21.5
19.7~20.4
19.5~19.7
1人前 100g
1人前 100g
1人前 100g
魚類 まぐろ赤身
かつお
ぶり
さんま
くるまえび
28.3
25.8
21.4
20.6
20.5
刺身1人前 100g
大1切 100g
大1切 100g
大1匹 100g
中2尾 40g
たまご 12.3g 中1個 50g
豆類 高野豆腐
木綿豆腐
絹豆腐
50.2g
6.8g
5.0g
1枚 20g
半丁 150g
半丁 150g
乳製品 牛乳
チーズ
2.9g
22.7g
1杯 200g




9. 高タンパク質、低脂肪食

お肉の選び方

お肉には、子どもの発育にとって大切なタンパク質が豊富に含まれています。
しかし、お肉には脂肪も多く含まれていることが多いので注意が必要です。
そこで、知っておきたいのが、お肉の種類によって含まれる脂肪の量が違う点なのです。
特に、肥満しやすいお子さんの場合は、注意が必要です。脂っこいものを食べると、
すぐに満腹になってしまう小食のお子さんの場合も、脂肪を摂りすぎないようにする工夫が必要です。
また、最近しきりに報告されている内分泌撹乱化学物質による食肉や魚類の汚染についても注意しましょう。 汚染物質は、ほとんどが肉の脂肪に含まれています。
このような点からも脂肪は摂りすぎないようにしましょう。




10. 日本人のカルシウム摂取量は先進国で最下位

諸外国のカルシウム摂取量(成人について)をみますと、
北欧の国々が1日1200?1400mg、アメリカ、フランス、ドイツなどが1000mgです。
日本人の2?3倍も摂取しています。アメリカでは1日1000mg以下の人は5人に1人ですが、
日本では1000mgもとっている人は5人に1人もいません。
これは、日本人の食生活が中途半端に欧米化したことがたたっています。
日本古来からのカルシウム源である海藻・小魚・豆腐などをあまり食べなくなったのに、
それに代わる乳製品の摂取が少ないのです。
日本古来からのカルシウム源をリバイバルさせ、乳製品をもっと増やせば、
欧米なみに、もしくは、それ以上にカルシウムをとることも可能でしょう。


オーストラリア
 729 953
カナダ
 653 833
デンマーク
672 845
フランス
966 1079
ドイツ
712 917
スペイン
529 785
スウェーデン
997 1143
イギリス
646 812
アメリカ
724 1052
日本
322 610
アルゼンチン
322 680
中国
40 236
インド
195 417



11. カルシウム摂取量の伸び悩みは平均身長の伸び悩みにも関係ありそう

下のグラフは、日本人の平均カルシウム摂取量と
17才の平均身長の年次推移を示しています。
この数年間、カルシウム摂取量は増加が見られず、
これに一致して平均身長も伸び悩んでいるように見えます。


1201.gif



12. カルシウム豊富な食品

カルシウム豊富な食品は、常にいくつか冷蔵庫に揃えておきましょう。


A.乳製品
  牛乳 ヨーグルト チーズ スキムミルク
1回量(g) 200 100 25 15
目安 1本 1本 1切 大さじ3杯
カルシウム量(mg) 200 110 150 180
B.海産物
  乾燥わかめ しらす干し わかさぎ 干しえび うなぎ 鮭中骨缶詰
1回量(g) 50 10 75 30
目安 1/4カップ 大さじ1強 5匹 1/5袋 鰻重1人前  
カルシウム量(mg) 50 25 375 230 112 600
C.野菜
  こまつな 切干大根 大根葉 のざわな チンゲンサイ
1回量(g) 80 10 50 30 80
目安 1/4ワ 1/5カップ 1/2株 小皿1盛 1/4ワ
カルシウム量(mg) 230 50 105 51 100
D.大豆製品・ごま
  豆腐 油揚げ 納豆 ごま
1回量(g) 150 25 50
目安 1/2丁 1枚 1/2包 小さじ1杯
カルシウム量(mg) 180 75 45 60



ワンポイントアドバイス

手作りふりかけをつくろう!

干しエビ、乾燥ワカメ、干し魚、カツオブシ、青ノリ、ゴマ、大根葉などを
ミキサーで混ぜて作ります。



13. 亜鉛は身長増加に大切な微量元素

(1)亜鉛が欠乏すると身長増加は鈍ります

亜鉛がまったく含まれない食餌で育てられたネズミはからだが小さく寿命も短いそうです。
また、ある国で徴兵検査の際に、身長が高い人と低い人で体内の亜鉛の量を調べてみた結果、
身長の高い人の方が亜鉛の量が多いことがわかりました。
亜鉛は、ホルモンなどの原料になる蛋白質や遺伝子をつくる酵素に含まれています。
また、骨の成長に直接関与しています。


(2)亜鉛が不足すると味覚にも障害が起こります

日大医学部の富田寛教授は、最近、亜鉛欠乏による味覚障害が増えていると報告されています。
亜鉛が欠乏すると食品の味がわからなくなり、それが食欲減退の原因にもなります。


(3)亜鉛は1日15mg必要です

亜鉛の1日必要量は米国では15mgと設定されています。
成人ではこれを下回っても直ちにからだが変調を来すことはないでしょう。
しかし、発育ざかりのこどもでは、これを下回らないほうがよいでしょう。
日本人の食事から摂取される亜鉛は平均で9mg程度ですから、15mgとるには工夫が必要ですし、
またせっかく摂取した亜鉛も食品添加物の影響で体外にでてしまうこともあり注意が必要です。



14.亜鉛を多く含む食品

一食分 単位 mg
かき 小2個 70g
  28  
和牛もも肉 80g
  3.6
豚レバー 50g
  3.45
うなぎ蒲焼き 1串 100g
  2.7
豚もも肉 80g
  2.32
納豆 100g
  1.9
ホタテ貝 70g
  1.75
鶏レバー 60g
  1.65
アーモンド 30g
  1.44
そば粉 60g
  1.44
いわし水煮 50g
  1.2
高野豆腐 20g
  1.1
鶏ささみ 40g
  0.96


米国では、亜鉛製剤が街の薬局で市販されていますが、薬にたよるのはよくないでしょう。
表に亜鉛を多く含む食品を示しましたので参考にしてみてください。
最後に一言。日本人何事にも極端に走りがちですが、
亜鉛についても、必要量がとれていたら、必要以上に摂取する必要はありません。


15. マグネシウムの重要性が最近注目されています

マグネシウムはカルシウム以上に不足しがちなミネラルですが、
特に大切なのが、カルシウムとのバランスです。
カルシウムとマグネシウムの理想のバランスは2対1です。

例えば、思春期のお子さんでは、カルシウムは1日1000mg程度必要ですが、
マグネシウムも500mg必要ということになります。
ところが、マグネシウムの実際の摂取量は150~300mgで不足傾向にあります。
カルシウムだけを大量に摂っていると、余分なカルシウムが排泄され、
その際、一緒にマグネシウムも排泄されてしまいます。
そこで不足したマグネシウムは骨から血液中に溶けだしてきますが、
その際カルシウムも一緒に溶け出すので、
カルシウムだけを大量に摂るとかえって骨のカルシウムが減ってしまうという
奇異な現象が起こってしまうのです(これをカルシウムパラドックスという)。
マグネシウムは、子どもの精神発達にも影響を与え、
米国では、凶悪犯罪を起こした子どもの毛髪を分析したら、
マグネシウムが少なかったとの報告もあります。


16. マグネシウム豊富な食品

アーモンドなどのナッツ類は、マグネシウムが豊富ですが、カロリーが高く、
また、思春期を早めるとの説もあるので、食べ過ぎはよくありません。


一食分 単位 mg
木綿豆腐(にがり) 1/2丁 150g
  127  
アーモンド 30g
  87
大豆(国産) 30g
  66
落花生(いり) 30g
  60
干しひじき 10g
  54
納豆 50g
  50
かき 小2個 70g
  49
ほうれんそう 小1/4 70g
  49
木綿豆腐 1/2丁 150g
  48
いんげん豆 30g
  45
かつお 100g
  40
あおのり 30g
  39
あずき 30g
  36
とうもろこし 1本 120g
  35
枝豆 50g
  35
バナナ 100g
  34



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