小児肥満合併症

肥満の合併症には、次のようなものがあります。これらはいわゆる“小児成人病”と呼ばれるものです。

(1)脂肪肝
 肥満児の脂肪肝は、けっして稀ではありません。軽度肥満でも肥満していた期間が長いと、しばしば脂肪肝がみられます。血液検査ではGOT、GPTの高値が認められます。脂肪肝の確認は超音波エコーや腹部CT検査で行います。


脂肪肝の超音波エコー像(右は治療後)
   脂肪肝      治療後

    
脂肪肝では肝臓の脈管(血管や胆管)がはっきり見えない。治療後は脈管がはっきり見えるようになっている。

(2)高脂血症
 軽度肥満でも、10〜20%に血清コレステロール高値が認められます。 小児では200mg/dl以上を高値と考えます

(3)糖尿病
 糖尿病は、稀ですが、耐糖能障害(糖尿病のはじまり)は、時々みられます。 脂肪肝の合併頻度脂肪肝では肝臓の脈管(血管や胆管)がはっきり見えない。治療後は脈管がはっきり見えるようになっている。

(4)動脈硬化
 図に示すように、血管の内側に、脂肪分が、こびり付いて、血液が流れにくくなります。

(5)高血圧
 肥満児ではしばしば高血圧が見られます。ただし肥満児では血圧測定のマンシェットのサイズが合わず、そのため血圧が正常でも見かけ上の高血圧となることもあります。


(6)睡眠障害
 肥満による睡眠障害もあります。夜おしっこに起きる、昼間居眠りをする、大きないびきをかく等の症状がみられることがあります。

(7)黒色皮膚症や皮膚線条
 中学生、高校生によく見られる。くびすじなどが黒くなります。 また、皮膚が裂けて線ができることもあります。

黒色皮膚症皮膚線条

(8)身長増加が次第に悪くなる
 肥満しているお子さんは、小学生のうちは身長も高いのですが、高度の肥満が続くと、次第に身長増加がわるくなる場合があります。また、特に女子の場合、思春期が早く、初潮を早く迎え、身長の伸びが早く止まってくる場合もあります。

(9)腰痛や関節痛
 体重が重いため、腰や下肢の関節に負担がかかり、痛みを訴えることがあります。こうなると、動くのを嫌がるようになり、さらに肥満が進行します。